2013年11月12日火曜日

セクシュアル・ハラスメントの被害者に表れやすい症状と対処

セクシュアル・ハラスメントは、大きなストレスの原因になります。
一人で抱え込んでいると、精神的に体調を崩すなどして、あなたの大切な人生を狂わせる危険性があるのです。

今回は、セクハラを受け人に表れやすい症状をいくつか挙げてみたいと思います。

 

セクシュアル・ハラスメントの被害者に表れやすい症状


セクハラを受けた人は、そのストレスで不眠や胃痛、頭痛、ふるえ、集中力の低下、食欲不振などの症状がみられるようになり、自律神経が乱れ、発汗や呼吸不全、動機が起きたり、女性の場合は生理不順、男性の場合は精力減退などが起きたりもします。

これらの症状が続くと、うつ病になったり、ASD(急性ストレス障害)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったりする可能性も出てきます。

そして、場合によっては、男性恐怖症や女性恐怖症に陥り、めまいや吐き気、パニック発作といった症状が表れることもあるのです。

 

セクハラの対応はどのようにすればよいのか


基本的に自分が「被害に遭っている」と感じたら、それはセクハラに該当すると考えてください。

自分で解決する場合は、しっかりと「不快なのでやめてください」といったことを伝えるとよいでしょう。
他にも、文書で相手に知らせることや周囲の人に相談してみると良いかもしれませんね。
意に反する性行為をせまられても拒否できるような心構えが望まれます。

現在では、ハラスメント専用相談窓口も多く設置されています。
もし、相談する窓口がない場合は、HPでハラスメント相談関係を検索してみると窓口が見つかるかもしれません。

何にせよ、問題を抱え込まずに、周囲の人たちや専用窓口に相談してみるのが良いでしょう。




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2013年10月16日水曜日

セクシュアル・ハラスメントに、遭っていませんか…?

道徳心やモラルのない行為により相手を不快にさせる「嫌がらせ」。
これをハラスメント(harassment)と表現することがあります。

青年期初期以降からハラスメントに困っている人が多く、メンタルヘルスの分野でも大変注目されています。

 

ハラスメントとイタズラの違い


ハラスメントと似たような行為に「イタズラ」があります。
ハラスメントとイタズラの違いについて、前者は意図的に不快にさせられた受け手側の認識を言い、後者は相手に迷惑をかけた行為者側のことを指します。

例えば、飲み会で上司であるAさんが場を盛り上げるために、突然部下であるBさんを巻き込んだ場合、人前で緊張する性格のBさんは仕方なく一緒にこの場の雰囲気を盛り上げることになります。
Aさんは、その場を盛り上げることができたので満足していますが、Bさんはとても苦痛を感じています。

このように、行為者がハラスメントのつもりではなくても、受け手の捉え方次第でハラスメントになりえるのです。

 

パワーハラスメントとセクシュアル・ハラスメントのつながり


ハラスメントはセクシュアル・ハラスメント(以下、セクハラ)、パワーハラスメント(以下、パワハラ)などを含む広い意味を持ちます。

セクハラが発生しやすいとされるパワハラは、上の者が職権や地位などの権力を使い、仕事の域を超え、下の者に対し人格的な批判や嫌がらせ等をすることで、生活・職場環境を悪化させる行為とされます。

多くの人は、上司の性的嫌がらせを拒否することで、仕事に影響が出るのではと恐れている現状です。上司が権力を使い、部下に性的関係をせまる行為は、パワハラがエスカレートしてセクハラに至るというプロセスを表しています。

そのため、セクハラ防止には、パワハラに敏感になって未然に防ぐことが必要とされます。




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2013年10月9日水曜日

「気が合わない…」信頼できる担当医に出会うには(2)

前回は、担当医の選び方のポイント、信頼関係のお話をしました。

担当医と信頼関係が築けないと、これでいいのだろうかと不安にもなり、気持ちも落ち込みます。
前回もお伝えしましたが、信頼関係が築けないようであれば、担当医を変えてみるのもひとつです。

信頼がおける方と巡り会うと、ご自身も安心することができ、症状の改善、問題の解決へと結びつくことができるからです。

 

ドクターショッピング


ドクターショッピングという言葉を聞いたことがありますか?

理由は様々ですが、「症状は出ているのに、原因がわからない」「説明不足による不信感」「症状のつらさを聞き入れてもらえない・理解してもらえない」など、相談する医療機関を次々と変える事を「ドクターショッピング」と言います。

ドクターショッピングの場合、今までの経緯などが担当医にきちんと伝わらずに、結果解決に至らないケースもよく見られます。
担当医を変更する場合、同じ医療機関であれば、データは引き継がれますので、今までの経過は伝わりますが、他の医療機関の場合は、今までの経緯、内容、薬の有無など、自ら伝えていかねばなりません(日頃から治療メモなどをつけておくことが大切です)。


担当医との信頼関係を構築できてこそ、症状の改善や問題解決につながっていくということを覚えておいて下さいね。



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2013年10月2日水曜日

「気が合わない…」信頼できる担当医に出会うには(1)

医療機関にかかって、問題が解決したり症状が軽くなったりすると良いのですが、時には担当医と気が合わない、信頼できないということもありますよね。

どうすれば、信頼できる担当医に出会うことができるのか、信頼できる担当医とはどういうものか、ここではお話します。

 

担当医の選び方


あなたの担当医はいかがですか?チェックしてみましょう。

・治療の進め方、方法、薬について具体的に説明してくれるか
・どんな分野に詳しいのか、何を専門にしているのかを教えてくれるか
・親切に対応してくれて、話をしていて安心できるか
・こちらの思っていることを自由に話せて、批判や非難を受けないか
・周囲のことも視野に入れた対応方法を考えてくれるか

 

担当医との信頼関係1


担当医との信頼関係は、正直に症状や気持ちを伝えることでつくられていきます。
しかし、気持ちを話しても担当医が受け止めてくれない、あるいはしかるべきリアクションがない、症状が一向に改善されない、などの場合は、担当医が多い機関なら担当医を変えてもらいましょう。
そうでない場合は、他の医療機関・相談機関を考えてみることをおすすめします。

 

担当医との信頼関係2


気をつけなければならないのは、担当医に信頼がおけないまま治療を続けていくことによって、二次的な症状も起こりえるということです。
担当医や医療機関を変えることを、自分で決めるのが困難であれば、家族や周囲に相談したり、相談機関を利用したりしましょう。担当医を変えることによって、症状の改善、問題の解決に至ることもあるからです。

お互いの信頼と理解を深めながら進めていくことができる担当医に出会うこと、治療を進めていく上で欠かせないポイントです。

次回は、担当医を変えることのメリット、デメリットについてご紹介します。



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2013年9月25日水曜日

不安神経症

不安神経症とは、強い不安やそれにともなう身体の症状を主な症状としたもの全てを指す病気です。

 

不安神経症に含まれる病気


元々、不安神経症、恐怖症、強迫神経症と呼ばれていたものが、まとめられたものです。
特異的恐怖症(高所、閉所、雷、動物など)、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが含まれます(DSM-Ⅳ)。

 

主な症状


症状の現れ方は様々で、急激に強い不安が起こるもの、数時間から数日かけて少しずつ不安が継続するもの、
ずっと不安な状態が続いているものがあります。
ひどい恐怖や動悸、息切れ、発汗、嘔吐感などが現れることもあります。
症状が起きないように、不安になる場所や行動を避けようとして日常生活が不自由になることが多く、重くなると外に出ることもできなくなってしまいます。

 

不安神経症の治療


薬物療法とカウンセリングなどの心理療法が有効とされています。
一般的に不安を緩和する薬が処方されますが、そのほかの症状によって処方が変わります。
治療については、医師とよく相談しましょう。カウンセリングや心理療法を併用することも効果的です。また、普段から規則正しい生活を送ることも、回復を助けます。不安が強かったり、長く続いたりしている時は早めに精神科、心療内科に相談してみてください。



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2013年9月18日水曜日

こころの病で休職中 本人編(2)

休職初期の段階と休職期間中について、前回はお話しました。
今回は、休職後から復職に向けてのお話をしたいと思います。

 

家族を頼る


休職に入る前・休職期間中・復職に至るまでの間、いちばん頼りになるのが家族です。
病院に一緒に行ってもらう、薬の服用を確認してもらうなど、こころの病は一人で治そうとせず、家族に協力してもらいましょう。

 

職場との連絡


職場の担当者とも、1ヶ月に一度は連絡を取り合えるようにしておきましょう。
会社では休職期間を定めています。それまでに復職できるのか、休職期間を延長できるのかなど、現在の症状や状況を話しておくことによって、職場もいつ復帰できるのか、サポート体制はどうするのかなど、双方で対応策を考えることができます。

また、職場とつながっていられることでで、安心感も得られるということもあります。
ご自分で連絡を取るのが困難な場合は、家族に連絡を取ってもらうと良いでしょう。

 

仕事を始めるタイミング


症状改善と体力の回復によっては、復職したり、新しい仕事(職場)についたりすることが可能になるでしょう。

しかし、焦ってはいけません。現在、復職しても再休職してしまう方が多いということが問題となっているのです。
早く復職しなくてはと焦るあまり、再発してしまうケースが多いのです。

休職・復職を繰り返すことは病状の悪化にもつながります。
現在、心の病においても服薬と休養を充分に取ることによって、体力の回復と精神症状の改善が見込めるようになってきています。

焦らず、主治医、家族、職場とも相談をしながら、タイミングを見極めて復職していきましょう。



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2013年9月11日水曜日

こころの病で休職中 本人編(1)

こころの病で休職すると、休職期間中のこと、また復職のこと、思い悩むこと多いものですよね。
今回はこころの病で休職中の様子や対処について、お話します。

 

こころの病とは


こころの病とは、心理面が原因によって起こりうる病気です。

「うつ病」
耐え難いほど落ち込んだ気分が続き、何ごとにもやる気や興味を失ってしまいます。

「神経症」
強い不安を覚えたり、発作に襲われたりすることによって、パニック障害などを引き起こします。

「心身症」
胃痛や頭痛、機能障害など身体症状として表れます。

これらはストレスが主な原因となって起こる病気ですが、人間関係、環境など様々な要素が含まれると考えられています。

 

休職初期


休職したばかりの時は、身体が思うように動かないという方も少なくありません。
朝、起きようと思っても思うように身体が動かなかったり、食欲がなかったり、薬の副作用から眠気があったり身体が重かったり…症状は人それぞれです。

症状によっては、自分のことを怠け者のように感じてしまうかもしれませんが、休職しなければならないくらい身体やこころに負担を強いてきたからこそ、今は休養が必要なんだと思いましょう。

 

休職中期


薬は服薬を始めてから2週間は経過をみないと、その薬が合っているのか、効果があるのか分かりづらいかもしれませんが、服薬・休養が充分にとれ始めると落ち着いてくることが多いものです。

気をつけてほしいのは、こころの病は風邪などとは違い、一気に治る・良くなるというものではなく、治療期間も症状や経過によって人それぞれだということです。
体調の良い日もあれば、すぐれない日もあります。

症状が落ち着き外出できるようになると、病院と平行してカウンセリングを受けたり、グループケアに参加される方もいます。
ご自分に合った治療方法を、主治医と相談しながらすすめていくことが大切です。
あせらず休職中は充分な休養を取り、体調の回復・改善に努めましょう。


次回は、復職についてお話します。



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2013年9月4日水曜日

親から見た虐待(2) ~予防と対処~

今回は虐待の予防と実際に起こった際の対処についてお話しましょう。

 

予防


まずは虐待が起こらないようにすることが大切です。
当事者だけでなく、周りができるサポートについても見てみましょう。

・ 当事者
困ったときは親や友人、保健師、産婦人科の医師などに相談しましょう。
初めてのことがたくさんありますから、わからないことやうまくできないことがあって当然です。
また、周りに協力してもらい、自分だけの時間をとるなどリフレッシュする時間も大切に。

・ 家族
主に子育てを担当する親が一人で抱え込んでいる可能性があります。
母親にまかせきりになっていないでしょうか?何か困っていることや手伝えることはないか聞いてみましょう。
また、子育てをしていることを当たり前だと思わずに、感謝したり、頑張っていることを評価し、言葉で伝えてみましょう。

・ 周りの人
時々連絡をとってみましょう。当事者のグチを聞いたり、代わりに子どもと遊んだりするだけでも、随分お手伝いになります。

・ 相談機関を利用
ほとんどの自治体、家庭支援センター、教育センターなど公共の施設で子育て相談、教育相談を無料で行っています。
気持ちを話したり、子どもとの接し方を学んだり考えたりできます。
ママと子どもが参加できるグループワークで、子どもとの遊び方、あやし方を教えてくれるところもあるようです。

 

起こってしまった際の対処


虐待をしてしまっている親の多くが、虐待をやめたいと思っています。
でも、一度虐待が本格化、習慣化してしまうと、なかなか本人の力だけではやめることができません。
そんなときは専門家のサポートが必要です。

・ 病院で治療を
もしお子さんに怪我をさせてしまったら、すみやかに病院へ連れて行きましょう。
そのままにしておくと、後遺症が残ったり、命に関わったりすることもあります。

・ 通報する
配偶者が虐待をしている場合もあります。
自分で止められない場合は児童相談所に通報するのもひとつの方法です。

虐待を防ぐこと、止めることはできます。
周りと協力して、虐待を少しでも減らしていきましょう!



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2013年8月29日木曜日

親から見た虐待(1) ~ 虐待はどの家庭でも起こりうる~

虐待というと、一部の「ダメな親」がしているように思われるかもしれません。
しかし、実はどの家庭でもおこり得ることなのです。

 

多恵子さん(28才)のケース


多恵子さんはマンションで5ヶ月の赤ちゃんを育てるお母さん。
結婚を機に引っ越してきたので、実家は遠く、友人も周りにいません。昼間は家で子どもと二人きり。夜泣きをするので一生懸命あやすのですが、なかなか泣きやまないのでイライラする毎日でした。旦那さんは仕事や付き合いで遅く帰ってくるので起こしては悪いと思い、育児はほとんど自分だけでやっていました。

どの家庭でも起こりそうな状況です。こんな時、あなたならどうしますか?
どうすればよいのか、誰に頼れば良いのか、思いつきますか?

 

虐待のきっかけ


多恵子さんは夜泣きを止められない自分を「ダメな母親」だと感じ責め続け、少しずつ感情が不安定になっていきました。
ある日、泣き止まない子を揺さぶると、子どもが静かになりました。それからは泣き止まないとそうしていましたが、ある日、赤ちゃんの顔色が悪くなるのを見て、大慌てで病院に駆け込みました。
すると「揺さぶられっこ症候群」と診断されたのでした。旦那さんはこのとき初めて、子育てに悩んでいたことを知ったのです。

多恵子さんの行動はもちろん適切ではありませんでした。
けれど、毎晩泣き続けられて、とにかく静かにさせなければと、かなり追い詰められていたのでしょう。この状況を一方的に多恵子さんが悪いと責められるでしょうか?

もし、誰かに手伝ってもらえていたら、相談できていたら…また状況は変わってきたはずです。

虐待の背景には少子化・核家族化、近所付き合いのとぼしさに伴う親子の孤立、家族間ストレスなどがあり、様々なことが引き金になります。どの家庭でもおこり得ることなのです。


今回は虐待はどの家庭でも起こりうるという点を例を交えてお話しました。
次回は、どうすればよいか、また、予防のためには何ができるのか、周りは何ができるのかについてお話していきたいと思います。



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2013年8月21日水曜日

「どうしてやめられないの…?」リストカットについて(2)

前回はリストカットの実態についてご報告しました。
今回は、具体的な事例と対策についてお話します。

 

A子さんの事例


私は中学生の時、最初のリストカットを経験しました。その頃、家で嫌なことがあり、気分が晴れずに悶々としていました。
ある日、カッターで手首でも切ってみようと思い、そーっと腕に傷をつけたところ、血が出てきて気分がスカッとしました。

それ以来、やめようと思っても、自分ではやめられなくなりました。切っても痛くないし、どんどん流れてとまらない血を見ていると、笑いが止まらなくなったりします。

高校ぐらいから学校のトイレでも切るようになりました。腕にはたくさんの傷跡が残っているので、長袖しか着れません。(19歳専門学校生A子)

 

リスカ対策どうすればいい?


上記のA子さんのように、リストカットをしている時に痛みを感じない人はたくさんいます。
自分自身の心が現実にないような状態になり、知らないうちに手首を切ってしまう人もいます。

どうしてそんなことをするのかと不思議に思う人もいると思いますが、リストカット自体の意味よりも、リストカットをした人の気持ちや悩みの背景に注目してあげてください。
個々の事例により異なりますが、幼少時からずっと家庭の悩みを抱えている人が半数以上いるという報告もあります。

自傷行為について、周囲の者は怒ったり叱ったりせずに、その背景にある悩みをゆっくりと聴いてあげてください。それが有効な予防と対策になります。精神科や心療内科などでカウンセリングを受けることもオススメです。

リストカットしたくなったら、やわらかい先の丸いマジックや筆ペンなどで、特殊メイクのように腕に傷の模様を描いて、本物のリストカットを避ける人もいます。
カウンセリング以外にも、代わりとなる方法を自分なりに工夫をすると良いでしょう。

一人で悩みを抱えずに、信頼できる相談者を見つけることが大切です。



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2013年8月14日水曜日

「どうしてやめられないの…?」リストカットについて(1)

自分自身のリスト(手首)を傷つける行為…リストカット。

若者の間では、「リスカ」とも呼ばれ、一般的な女子高生の1~2割が経験しているといわれています。
一種の社会現象ともいえるリストカットですが、その実態はどうなっているのでしょうか。

今回は、リストカット現象の実態について、ご報告します。

 

リストカット現象の実態


リストカットは自分自身を傷つける「自傷行為」の1つです。
「自傷行為」は手首だけに限らず、腕、足、腹など様々ですが、ある総合病院の調査によると「自傷行為」の患者さんの約60%が手首を傷つけているとのこと。やはりリストカットが一番多いようです。
ちなみに腕(アーム)を傷つける行為は「アムカ」と呼ばれます。

リストカットをするのは若い女性が多いのですが、中年の方や男性、中には小学生もいます。世間一般的には、自殺目的と間違えられることが多いのですが、ほとんどの人が体を傷つけること自体が目的で、自殺をしたいわけではありません。
明確な理由はないけれど、「イライラしたので一度切ってみたらスーッとした」など自傷行為自体がクセになってしまう人が大半です。こっそり隠れてリストカットをする人もいれば、自分のホームページなどで写真を公開する人もいます。

周囲から見て一番心配なのは、傷による出血ですが、前出の病院の調査によると、病院に来ている患者さんのうち、自然に出血がとまる浅い傷が約60%、傷口を縫う必要のある深い傷が約30%でした。傾向としては、浅い傷を複数、手首や腕に刻みつけるといった行為が多いようです。

しかし、必ずしも自殺願望がないわけではありません。
リストカットという行為の裏には、「どうすればいいかわからない」「助けてほしい」「苦しみをわかってほしい」という心の叫びが隠されているのです。

次回は、リストカットの事例と予防・対策についてお話します。


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2013年8月7日水曜日

「ストレスに負けたくない!」ストレスに勝つ食べ物

仕事のストレス、将来の不安など、身の周りには心身を疲労させるストレスがいっぱいです。

そんなストレスに囲まれていても、イキイキ元気に毎日を過ごしている人もいますよね。
生まれ持った精神力や体力の差もありますが、意外と食生活の影響もあることをご存知ですか?

今回は、ストレスと食事の関係とストレスに勝つ食べ物についてお話します。

 

ストレスと闘える基礎脳力を!


「不安」や「うつ」は、「医療機関で薬を貰って治すもの」と思っていませんか?
これは間違ったことではありませんが、いくら薬を飲んだからといって、栄養不足の食生活では、良くなる可能性は低くなってしまいます。
「不安」や「うつ」は脳が感じ取るもの。そして、脳の細胞や脳内物質は、食事から摂る栄養素により作られます。忙しいからといって、食事を手抜きすると…栄養不足で、脳はストレスと戦うことができなくなるのです。食事の手抜きだけは絶対にNGです!


ストレスが多かった日の食事


ストレスがかかると、「コルチゾール」や「アドレナリン」などの体内のホルモンが増えます。体内で自然に分泌されるホルモンは、通常は体に役立つものですが、ストレスなどで過剰に分泌されると、脳に悪影響を与えます。
やる気を衰えさせたり、様々な依存症などの「心の病」へのきっかけとなる恐れがあるのです。仕事などでストレスを多く感じた日は、魚、大豆、ビタミンB類をいつもよりも多く摂りましょう。過剰に分泌した体内ホルモンの働きを正常に調えてくれます。

では反対に、これらのストレスに対抗する力を弱めてしまう食べ物にはどんなものがあるでしょうか?

それは清涼飲料水や甘いもの、アルコールなどです。これらは、一時的には脳に糖分を与え元気にしてくれますが、こればかりに頼るとかえって後から疲れが出てしまいます。ストレスの多かった日は、お酒を飲む前に必ず、魚や大豆、ビタミンを摂りましょう!サプリメント代わりに常にストックしておくと良いですね。


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2013年7月31日水曜日

「体がだるい…疲れが取れない…」ストレスで起こる身近な病気

なんとなく体が不調だなと思ったら、実はストレスの溜まり過ぎかもしれません。
今回は、ストレスで起こる身近な病気について考えてみます。

 

ちょっとだけ不便を感じる病気


まずは、意外なところで、口臭のキツイ人。
「え?口臭とストレスに一体何の関係があるの?」と思われるでしょう。

歯茎の病気が原因かもしれませんが、長引く歯周病は実はストレスと関係があると考えられます。
ストレスが自律神経の働きを乱し、細菌などを防御する免疫系の働きにも影響を与えるからです。免疫系が正常に働かないと、体の中に入りこむ細菌に対しての抵抗力が弱くなります。

口の中と言えば、他にも、口内炎もありますね。口内炎はいろいろな種類があるので、一概には言えませんが、口内炎もストレスと関係があるとも言われています。

歯周病や口内炎は、日常生活でちょっと不便が起きる程度なので、見逃しがちかもしれませんが、ストレスで「体が弱っているサイン」かも知れません。


あなどれない睡眠と食事


歯周病や口内炎だけでなく、ストレスは様々な身近な病気と関係があります。
例えば、風邪が治りにくい人、下痢気味の人、胃が重い感じがする人、抜け毛が多い人、頭痛がする人などはオフィスで多く見られますが、病院に行かず、我慢していることが多いと思います。

確かに、これらの軽い不調は、忙しい時間を割いてまで病院に行かなくても、我慢できるかもしれません。ただ、その不調の裏側に自律神経の乱れがあり、体の抵抗力の弱まりが隠れているのです。抵抗力の弱さを放っておくと、大きな病気に感染する確率も高まってしまいます。

「体が弱っているサイン」は放置せず、早めに治しましょう。
さらに、睡眠と食事をきちんと整えて、病気に負けない体作りをしましょう。

電車の中の窓ガラスに、ふと映る自分の顔。その顔が疲れていたら、今日は早めに帰り、美味しい食事と十分な睡眠で、早めに回復させましょう。


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2013年7月24日水曜日

「これってDV…?」デートDVの恐怖(2)

交際相手から酷い暴力を受けているのになかなか別れられない、そんな被害者が大勢います。
前回は、デートDVがどんなものかお伝えしました。

では、なぜデートDVを受ける人は交際相手から逃れられないのでしょうか?
今回は、そんなデートDVの「罠」についてお話します。

 

デートDVのサイクル


デートDVを行う交際相手から逃れられない理由は様々あります。
例えば、別れたら、逃げたら、もっと酷い暴力を受けるかもしれないという恐怖心からなどです。
その中で、「DVサイクル」という現象が、被害者のDVから逃れる決意を奪ってしまうと言われています。

デートDVにはサイクルがあります。
加害者は、交際相手に酷い暴力をふるったあと、突如として優しくなり、「俺(私)が悪かった、二度としない」、また泣きながら「見捨てないで、別れるなんて言わないで」と懇願します。
そう言われると、被害者は交際相手が好きということもあり、「この人を見捨てられない、自分しかこの人を分かってあげられない」「暴力もふるうけど、本当は優しい人」と思ってしまうのです。暴力と優しさが交互に繰り返されることによって、被害者自身にも加害者に対する精神的依存が生じてしまいやすいくなります。

しかし、こういったアメとムチを繰り返すことで、暴力はどんどんエスカレートし、仕舞いには被害者の逃げる気力さえ奪ってしまうのです。


デートDVを受けたら


「好きな人だから信じたい、受けとめたい」
その気持ちはよく分かります。でも、受け止めてあげることだけが相手への愛情ではないはずです。
時に、勇気を出して相手のことを思い突き放すことも大切ではないでしょうか。

デートDVは一人では解決しにくい問題です。婦人相談所や配偶者暴力支援センターなどの場所で相談にのっていますので、一人で悩まず相談に行ってみてください。


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2013年7月17日水曜日

「これってDV…?」デートDVの恐怖(1)

あなたは、交際相手から暴力を受けたことはありませんか?
酷い束縛を受けたことはありませんか?
また、そういった相手の行為を「あの暴力は、自分の事を本当に愛しているから…」と考えてしまっていませんか?

思い当たる人は、知らぬ間に「デートDV」の被害者になっているかもしれません。今回は、デートDVについてのお話です。

 

デートDVとは?


DV=ドメスティックバイオレンスとは、同居関係にある配偶者や内縁関係や両親・子・兄弟・親戚などの家族から受ける家庭内暴力のことを言い、ドメスティックとは本来「家庭内」という意味を持っています。
しかし、最近ではDVが家庭内に留まらず、婚姻関係にない男女間でも見られるようになり、このことを「デートDV」と言うようになりました。

内閣府の調査によると、20代女性の5人に1人以上が交際相手の男性から暴力を受けた経験があり、また、交際しているカップルの3組に1組の間でデートDVが起きているというデータもあります。デートDVという言葉が出来たのは最近ですが、今、高校生や20代の若者を中心に被害が広がっていると言われています。

じゃあ、デートDVってどんな行為?


デートDVの行為は大きく分けて次の5つとされます。

(1)たたく、ける、ものをなげつける
(2)ばかにしたり、傷つく言葉を言う、大声で怒鳴る
(3)メールのチェックや友達付き合いを制限される
(4)性的な行為を無理やりする
(5)デートの費用やお金を無理やり出させる

身体的精神的、様々な種類の暴力がありますが、目的は暴力ではなく相手を自分の思い通りにしたいという支配欲です。デートDVの被害者は、日常的な暴力で感覚が麻痺してしまったり、自分が悪いと自分を責めたりしてしまい、なかなか被害から抜け出せません。


いかがですか?心当たりはありませんでしたか?
次回は、デートDVの原因や対処法についてお話します。


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2013年7月10日水曜日

「ママ友いじめ…」ママ友ストレスから妻を守ろう

公園デビュー、幼稚園でのママの集まりなど、「ママ友付き合い」は気を遣うことが多いようです。
会社だって人間関係は大変と、ついママたちの人間関係も同じように考えていませんか?

今回はママ友付き合いのストレスについて、一緒に考えてみましょう。

 

【ママ友付き合い、なぜ大変?】


会社の付き合いとママ友付き合い。その違いと特徴、分かりますか?

(1)ママ友集団は目的集団ではない。
ママ友集団は会社と違い、共通の目的を共有しあう集団ではありません。ですから、関係がダメになったらダメなままだったり、感情を抑える必要性がなかったり…。自然に集団がまとまる目的がないのです。

(2)暗黙のルールのみで動く。
会社では、暗黙のルールもありますが、上司や後輩など上下関係のルールもありますよね。これに対し、ママ友付き合いは暗黙のルールのみ。理不尽で納得いかないことも多いようです。

(3)女性には精神不安定な時期がある。
女性には、月経、産後、更年期など、女性ホルモンの乱れで精神不安定な時期があります。普段は温厚な女性であっても、怒りや不安が増幅すればトラブルが増えがち。解決が見出しにくくなる可能性もあるのです。


【黙って見守るだけではダメ】


「黙って見守り、必要な時だけアドバイス…」というのは、男性同士の場合。
女性の場合は、もっと積極的に話を聞いてあげることが重要です。カウンセラーのようにうなずいて「大変だね」「ヒドイね」と共感的に話を聞いてあげましょう。

また、ストレスに強い女性と弱い女性がいることも頭に入れておきましょう。気分転換が得意な女性や運動を好む女性は、ストレスに耐える力が強いのですが、そうでない女性もたくさんいます。ストレスに弱い奥様には、さりげなく、好きな映画や食べ物、アロマオイルを用意するなどして、気分を変えるサポートをしてあげましょう。

しかし、中には嘘のウワサを流すなど、悪質なママ同士のトラブルもあります。
孤立した奥様を癒してあげられるのはダンナ様しかいません。注意深く様子を伺って、恥ずかしがらずに早めのサポートを!


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2013年7月4日木曜日

「イライラしたり…くよくよしたり…」情緒不安定の原因と対策は?

「情緒不安定」という言葉、私たちは日常的によく使いますが、具体的にどういった症状を指すのでしょうか。今回は「情緒不安定」についていろいろ考えてみたいと思います。

 

【いろいろありすぎ?情緒不安定の原因】


「情緒不安定」とは、理由もなく不安になったり、テンションが高くなったり、イライラしたりするなど感情の起伏が激しい状態をいいます。

例えば、寝不足の日。グタ~ッとしていたかと思えば、次の瞬間、妙にテンションが高くなる人がいますね。また、女性は、生理の前後は女性ホルモンの変動によって、いつもよりも不安になりやすかったりします。このように私たちは体調が原因で情緒不安定になることが多いのです。

体調が原因で情緒不安定になること自体は、特に異常ということはありませんが、情緒不安定の程度が強かったり、持続時間が長かったりすると、治療の対象になることもあります。「情緒不安定」が心の病気の一症状の場合、精神科医の治療対象となる場合もあるのです。


【情緒不安定の解決法】


では、私たちは「情緒不安定」になった場合、どうしたらよいのでしょうか?

まずは自分自身の年齢・性別・行動から、心当たりとなる体調不良はないか、考えてみましょう。睡眠不足、お酒の飲みすぎ、生理や更年期障害、ストレス…などに心当たりがあれば、まず休養をとることが第一です。

ちなみに、ホルモンの変動というのは、女性に限ったことではなく、男性更年期には男性ホルモンの変動により、情緒不安定になることがあります。その場合、男性外来のある病院に行くと相談にのってもらえるでしょう。
人間関係のストレスの場合は、信用できる友人やカウンセラー等に相談してみましょう。

何が原因なのかわからない場合や、情緒不安定のレベルが高く、日常生活に支障をきたしている場合は、心療内科や精神科を受診すると、症状に合わせて、薬を処方してくれます。薬というと抵抗感をもつ人もいると思いますが、漢方やサプリメントを処方する場合もあります。まずは相談してみましょう。


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2013年6月26日水曜日

「仕事やめたい…」職場ストレスおとなのいじめ

パワハラ、モラハラといった、いわゆる「おとなのいじめ」が、取りざたされています。
パワハラをその背景に持つと思われる事件がニュースに上ることも少なくありません。

 

職場ストレスと雇用形態


最近は派遣社員という働き方も一般的になっていますが、企業が派遣社員との雇用関係を正確に理解していないなどによってトラブルが増加しています。

企業側は手が足りないからと新しい人材を採用しているケースが少なくないため、労働者のもつ能力との間にミスマッチが起こります。
労働者の側は、与えられた仕事が自分のそれまでのスキルとずれていると、力を発揮できませんし、企業は「即戦力」を期待していただけに、役に立たないイライラ感を持ってしまいます。そこで、相談する相手が社内に見つからないと、ストレスに追い込まれてしまいます。仕事の全体像を知らされないまま仕事を押し付けられ、やる気を失い、また、経済不安から「いつ首を切られるかわからない」派遣社員であるために将来を悲観しやすくなりますし、上司から、あるいは正社員から、いわゆる「パワハラ」を受けるケ-スが多くなっています。

パワハラとは?


上司が部下に言葉や態度による暴力を振るったり、できもしない執鋤な要求で精神的に苦痛を与えることです。
スウェーデンの産業医ハインツ・レイマンの「職場で受けるいじめの5段階」という理論があります。
1から5へといじめがひどくなっていくと、やがては部下が健康を害してしまうというものです。

(1)部下の自己表現を妨害する
(2)部下を孤立させる
(3)同僚の前で部下をこきおろす
(4)仕事上で部下の信用を傷つける
(5)部下の健康を危険にさらす

上司と部下だけでなく、正社員と派遣社員といった関係でも、こういった「パワハラ」いじめがあるのが、残念ながら現状でしよう。



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